「5TRAX2017」編

前書き
とにかく公式サイトからダウンロードしよう。
今年はトラックリストのみの公開もあるぞ。

「Darkstep」について
選曲はベーシックな曲がメインとなった。ビートよりベースに重きがあったと感じた。
イントロの構造はこれまでよりも長くなっており、ショートミックスが難しくなった事もポイントだろうか。


1. Promised Land / DR & Coppa
ベースとスネアの使い方、音色すら異彩なのにCoppaのMCまで付く豪華仕様。ピークでもダウンでも転換でも使いたい。
DRとはDean Rodelの事。Machine Codeの曲を想像すれば納得出来るだろう。
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2. Ten Tonne Hammer (Katharsys Remix) / Donny
変則ビートだった曲がシンプルに、おぞましさはそのままリミックスされた。オリジナルの音色とKatharsysの曲調とのバランスが絶妙だ。
Katharsysが4年ぶりにアルバムを出した。実はKatharsys名義単体のリリースは珍しい事である。
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3. Outbreak / Donny & Katharsys
曲調はベーシックだが、ブレイクまで入り込んだ避難警報とカウントアップはフロアの人を逃さないだろう。声ネタは、これは訓練ではない!と言っているが気にしない。
Barcode時代から見るDonny & Katharsysは変わらない仕上がり。元ネタは「エイリアン4」。アートワークの通りだ。
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4. Pentagram (Synthakt Remix) / Gein & Counterstrike
スネアだらけでベースも非常に強力。かつてのダークステップを彷彿とさせる曲調だが、一度原曲を確認してほしい。
他収録曲もCounterstrikeとよく知るアーティストとのコラボである。当然強い、実際強い。
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5. This World / DJ Hidden
ダークステップというよりハーフタイムの様相である。クラップがスネアと共に入っている事に注目しよう。
アーキテクト、DJ HiddenがOthercideに現れた。曲調を毎回変えてくるが、ここまで来るともうDJ Hiddenの曲とは気づかないだろう。
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「Doomcore」について
昔から変わらない構成の曲を中心に選んだ。ポイントは展開、メロディの構成、キックと考える。
インダストリアルハードコアに寄った曲も多く出ていたが、そちらはあまり選択しなかった。


1. Baxter / Minimum Syndicat
非常に単純で基礎的な曲調。どんどん強くなるアシッドとガバキックの掛け合いが面白い。
ドゥームコアとして登録するかは怪しい所であったが、レーベル運営者の一人がDJ Darksideという事からねじ込んだ。
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2. ▲NGST XIII / ▲NGST
▲NGSTシリーズの最新作が追加された。簡単で不気味な曲調はまさにドゥームコアを表している。
今年MHzが日本語でドゥームコアの特集をした。謎に満ちたジャンルが各方面のアーティストによって解き明かされているが、まだ概念は理解に至っていない。
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3. 1.2.3 Fuck You ! (The Horrorist Remix) / Dr. Macabre
ベテランとベテラン。必要な所だけ押さえ、最初から最後まで緩急の効いた仕上がりだ。
オリジナルも収録されているが、到底今どきの曲とは思えない。それもそのはず、2009年から未収録であったトラックだ。
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4. U.D.R. / Cubic Nomad
中盤からは何とトランスのメロディがそのまま入ってくる。声ネタの通り、普通ではなく革新的である。Dark. Descent.がこの曲調を取り始めたという事でセレクトに入れた。
毎年恒例のDoomed Industryシリーズの3作目から選んだ。アーティストは新旧問わず実力派揃いで、これを買っておけば今年の動向を掴む事が出来た。
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5. Doomicide / Meta-Morph
120 bpmかと思いきや、半分の60 bpmだ。今作初登場のアーティストだというが、何か聞き覚えがあるような・・・。
もう気づいているだろうが、明らかにLow Entropyの曲調である。どこにも正体は書かれていないが果たして。
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「Experimental」について
今年の出演ではハードコアテクノ以外の選曲を行った。その中からウィッチハウスを選び出した。
ウイッチハウスをタイトルに入れなかった理由は、その正体を暴く事が出来なかった、よく似た領域の曲を選曲に入れたからだ。


1. Sic Transit Gloria Mundi / Supersimmetria
ディケイの異なる音源を複数組み合わせた不思議な曲だ。裏にあるドローンが気持ちいい。
今年Supersimmetriaと2回目の遭遇をした。ライブの記憶がそのままこの曲に入っている。
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2. Transgression / The Whip Angels ft. Primitive Knot
ドローンがビートに乗っているだけというシンプルの極み。フロアはきっと困惑するだろう。
パーカッションはシンセウェイブとよく似ているが、特徴的なシンセが一切ない。収録曲どれを取っても楽しめるだろう。
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3. Sonic Device To Open Star Portals / Tigre
もはやクラシックゲームのサウンドトラックである。解り易くも複数の展開と要素を持ったカオスな曲だ。
シンセウェイブ系ウィッチハウスのコンピから取ったが、この曲は特に目立っている。
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4. Vanish / L e g s L i k e T w i g s
割れまくったベース、切れ味の高いリフが強力なアクセントだ。トラップにしてはやたらと遅い。意表を突くウィッチハウスとして選曲に入れた。
アートワークに貞子が写っているが「リング」のサンプルは入っていない。それも1曲目は「回路」からのサンプルである。
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5. Sanguine / Labyrinth & Eiro
ガバキックが入っていながら、どんなジャンルにも似つかない幻想的な曲だ。アーティストどちらもVoid Settlerの別名義である。
長い沈黙を破り、Void SettlerがTTMに帰ってきた。次に何を繰り出してくるか楽しみだ。
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「Industrial Hardcore」について
新しいアーティストの進出が非常に目立った。が、メロディアス、リフが強い曲も同時に増えてきたのも確かであった。
キックの構造に個性が見られるジャンルである事だけは確かである。


1. Sevastopol / Strange Arrival
ブレイクスやスカルスネアが使われている辺り、クロスブリードをそのまま遅くし整えたた感じの仕上がりだ。かつてMeta4から出たChoise Mission / TOAを思い出させる。
おととしから注目のStrange ArrivalがMeta4からリリース。相変わらず目を離せないアーティストの一人である。
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2. Buddy (Little Man With Knife) / [KRTM]
何種類も重なったアナログシンセのキックに強いこだわりが感じられる。簡単な音色に聞こえるが、ハコでかけると凄い音がするぞ。
ほぼキックしか無いと言って過言ではない。DnBの要素は無く、PRSPCTらしからぬ曲だ。
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3. Nocturia (Destination To Hell Rmx) / Psycow
非常に強いキックにピアノとシンフォニックを乗せる、珍しい手法である。特異な構成だが使いやすさの高さも評価出来る。
Psycow, Destination To Hellどちらも今後注目のアーティストだ。
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4. No One / The Outside Agency & Dither
珍しくDitherが競作としてリリースした。普段水に溶けるが如くな曲調であったが、今回はDitherの曲調がよく表れている。
Genoshaではおなじみの面子が集まった。どの曲も間違いないのだが、クリア盤という所だけは頂けない。
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5. Sudden Death / Engage Blue
後述のリミックスコンテストも開催され、インダストリアルハードコアだけでここまで盛り上がった(自分の周りだけだったかもしれないが)のは十分な偉業である。
元ネタは「CoD:MW II」。実際飛んでくるのは銃弾でもミサイルでもなくテキーラであった。
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「Speedcore」について
相変わらずアナログのリリースは多い(全mixで最多、本mixでは3枚使用。)のは謎である。
テンポを合わせることは困難であったのでテキトーに繋いでおいたが、繋ぎ目はお分かりであろうか。


1. Die Or Live / Dm.Stage
ギターリフメインの王道の展開。しかしギターリフが強いキックを押しのけるほどにミックスダウンされ、種類も多い事に注目したい。
こちらも巨大サイズのコンピで中堅から大御所まで暗躍するアーティスト揃い。このコンピをゲットしておけばもちろん間違いない。
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2. Rocket Down / Art Is Anal
短いディケイのキックを連射する構成のフランスらしい曲。簡単なリフに加えギターリフのカットインも入っており変化に富む。
昨年からFist Of Furyと共に再起動したArt Is Anal。今年はアルバムを出してきた。今回はそのアナログサンプルから選んだ。
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3. Passkifobienrigoler / Desolation & Revision
滑稽な印象の曲であるが、二人ともそんな曲調ではない辺りいい意味で裏切られる。
Whats That Noise!?シリーズがなかった代わりに、アナログがリリースされた。盤面にまでメッセージが刻印されており強いこだわりを感じる。
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4. Internet Exploder (Passenger of Shit Remix) / DJ Skull Vomit
ゲロにクソを混ぜた曲がPRSPCTから流れてきた。それだけで十分である。
収録アーティストはブレクコアやメタルの豪華アーティスト揃い。馬鹿馬鹿しくもふざけまくっているあたり楽しい。
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5. Permanent Psychosis / Pressterror
とにかくうるさい以外の感想が出ないほどブチのめされた曲だ。ブレイクや声ネタが入っているあたり、ちゃんと作れらている。
昨年はKomprexとのコラボであったが、今回はグライドコアとのスプリット盤を出した。両面で暴力性の違いを確認したい。
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「UK Hardcore」について
今年は不作なイメージのあった本ジャンル。アーティストは増えたようだが、これまでの曲調とは一線を画す曲ばかりであった。
繋ぎ部分が最もアツいジャンルだと思っているので、曲同士の相性も選曲のポイントとした。


1. Tribe Of XTRM / The DJ Producer, Hellfish & Dolphin
Deathchant, Rebelscum, KomKomsの曲調とテクニックがPRSPCTに集まった。3人も集まっているがそれぞれの曲調はよく分かる所がポイントだ。
15周年を記念し各方面のアーティストが固まった。もう15年も姿を変えつつ、遂に表舞台を席捲するまでになった事は驚きである。
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2. Icebreaker (Innominate Remix) / I:gor
アタックを強くしたキックに定番のバトブレを載せてきたが原曲の影は声ネタ程度しか残っていない。特徴的であたブレイクにはビートが入り、フロアを下落させない。
このジャンルの様子が変わった事を決定づける曲であった。正直好みではないが、大きな変化点を示したUKガバの代表として選んだ。
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3. Shut Le Fuk Up / Hellfish
伸びたベースにブツ切りの声ネタ。最近ヒップホップサンプルが多く、このようなリリースは久々だ。
残り3曲は過去曲のリメイク。この曲も何か訳ありな気もするが分からなかった。
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4. Sudden Death (belbetQ Remix) / Engage Blue
拙作。いや入れるでしょ。
リミックスコンテスト開催中に本人や同じリミキサ陣との共演をした。終わり際各面々と話している時「やってみようかな・・・」と言ってしまったがためにやらざるを得なくなってしまったのだ。
自分が見てきたUKガバをそのまま表した。末尾のネタは原曲の元ネタを知るきっかけであった実況動画のエンディングから取った。
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5. We Are The Illest / Akira
方形波キックにヒップホップをカットインで入れるAkira特有の展開そのままだ。どこから切り取っても使える、楽しめる曲である。
デジタルリリースになってしまったが、Smackdownの活気が戻ってきた。MixではAkiraがよくやるカットインで次の曲を差し込むテクニックを使った。
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後書き
自身の出演機会も増え、他ジャンルの人々や海外アーティストと同じパーティに出演する事もあった。
国内DJの世代交代を見てきた事はもちろん、選曲したジャンルでもアーティストの入れ替わりや復活が散見された。
自身も住処が変わり、使用機材を変えた。
来年も良い変化を多く見られるだろうか。期待する事とする。


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