Audacityを使ったマスタリングのやり方(機能編)
Zoom | Audacityでの位置は図の場所です。 編集する波形を範囲指定し、圧縮をクリックします。 |
Zoom | 使うパラメータは、「閾値」、「比率」、「アタックタイム」の三つです。 「圧縮後に音量を〜」のチェックは使わないのでオフにします。 チェックが付いていると波形の最大値が0dBまで増幅されてしまいます。 この操作は後でやるので不要となります。 |
Zoom | 「閾値」は圧縮する音圧の境界を示します。 左図のように、閾値以上の音を圧縮、それ以下は圧縮しません。 以下、左図の波形で説明します。 |
「比率」は音を圧縮する比率です。 このパラメータはダイアログのグラフでも変化を確認できます。 大きくなっている部分を小さくするので、最大の「10:1」に設定します。 |
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Zoom | 「アタックタイム」は閾値を超えた直後から圧縮を開始するまでの時間です。 シンセサイザーで音色づくりをした人なら想像がつくと思います。 図は、一つ目の山を拡大したものです。 圧縮がかかった後でも、圧縮されない部分があるのが分かるはずです。 本来は音色や楽器に合わせて設定する必要があります。 ですが特にこだわる必要はないので、最小の「0.1秒」に設定します。 |
Zoom | Audacityでは図の位置です。 |
Zoom | 使うパラメータは、「dB Limit」、「Wet Level」、「Residue Level」の三つです。 動作はコンプレッサーとほぼ同じなので、分かりやすいと思います。 |
「dB Limit」はコンプレッサーの「閾値」と同じです。 この値を超えたところでリミッターが動作します。 |
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「Wet Level」は波形を減衰しない割合です。 選択した部分全体がリミッター動作にかかわらず減衰されます。 必要ないので、最大の「1.000000」に設定します。 |
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「Residue Level」もコンプレッサーの「比率」と同じです。 違うところは、値を「0」つまり「∞:1」に設定できることと、超過部分を小さくすることです。 値を「0」にすると音圧の最大値は「dB Limit」となり、波形は歪みます。 波形のスパイクを抑えるために使うので、最小の「0.000000」に設定します。 |
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Zoom | コンプレッサーとリミッターの動作を比較してみます。 上から、元波形、コンプレッサー、リミッターの波形です。 2種類の音圧を使った正弦波(左側:-9dB 右側:0dB 閾値:-9dB)を使いました。 コンプレッサーはアタックタイムにより、圧縮されていない部分があります。 また、波形は圧縮された所でも元の波形の形を維持しています。 リミッターがかかっているところは超過部分が潰されています。 また、超過部分だけが圧縮され、下の部分は変化していないのが分かります。 |
Zoom | Audacityでは図の位置です。 |
Zoom | 使うパラメータはたったの一つ「増幅(dB)」のみです。 「新しい最大振幅」は増幅後の波の高さをデシベルで示します。こちらでも操作ができます。 実は下記の通り、操作する必要はありません。使う機能のうち一番簡単な機能です。 |
「増幅」のウインドウを出して何もいじらずに「OK」を押せば、選択部分の最大値が0dBになるように増幅されます。 また、「新しい最大振幅」を0dBにしても同じことになります。 これを応用すると、「増幅(dB)」の符号をマイナスにしたものが最大値の音量、と言えます。 |
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目標を決めて増幅、減衰したいなら「増幅(dB)」の数値か、バーを移動すればOKです。 もちろん、+なら増幅、-なら減衰されます。 ただし、増幅するとき0dBを超えると「OK」ボタンが押せなくなります。 「クリッピング許可」のチェックを解除すれば、押すことができます。 |
Zoom | Audacityではそれぞれ図の位置です。「イコライゼーション」でも同じ事ができますが、「FFTフィルタ」を使います。 |
Zoom | FFTフィルタとイコライゼーションの違いは ・イコライジングにはプリセットがある ・周波数範囲は、FFTフィルタが0〜20kHz強、イコライゼーションが20Hz〜20kHz。 ・増減衰範囲は、FFTフィルタが±12dB、イコライゼーションが±24dB。 ・横軸の周波数は、FFTフィルタが平等目盛、イコライゼーションが対数目盛。 また、FFTフィルタの方がグラフが広く使いやすいです。 |
この機能には数値パラメータが存在せず、グラフをマウスで操作して増減衰を決めます。 「クリア」を押せば、グラフはリセットされます。 |
・FFTって何?
高速フーリエ変換機(Fast Fourier Transformer)の略です。
波形の一部を切り出し、正弦波と余弦波の和に分解する変換です。
周波数ごとにその波大きさを見ることができます。
スペクトラムアナライザ、スペクトル分析の原理でもあります。
Audacityの表示設定にも同じものがあります。
FFTフィルタはこれの応用です。フーリエ変換→増幅/減衰→フーリエ逆変換 でFFTフィルタとなります。